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ボリンジャーバンド

ボリンジャーバンド(Bolinger bands)は、相場の振れ幅(ボラティリティ)を一定期間の価格データから測定し、統計学的な観点から価格の変動範囲を予測してチャート上に表示するテクニカル指標のことです。

かんたんにいうと、価格変動がどのくらいの範囲でおさまるのかを教えてくれるインジケーターです。

ボラティリティとは

ボラティリティ(Volatility)とは、相場の価格変動の大きさを示す変動率のことです。
FXのボラティリティは、各通貨ペアの値動きの幅で、そのときの相場状況がわかります。
価格変動の幅が大きいことを「ボラティリティが高い」、価格変動の幅が小さいことを「ボラティリティが低い」といいます。

考案者は、アメリカ人投資家のジョン・ボリンジャー(John Bolinger)氏で、だれでも簡単に活用できる人気の高いテクニカル分析です。
ジョン・ボリンジャー氏は順張りとして使うことを推奨しています。

ボリンジャーバンドのベースになっているのは移動平均線で、5本のラインで構成されています。

中心のラインが移動平均線で、移動平均線をはさむように、
±1σ(シグマ)、±2σ(シグマ)が外側に向かって並んでいます。
±3σもあるので7本で使用することもできます。

ラインの記号の「σ」はシグマと読みます。
これは標準偏差を表しています。
標準偏差とは、現在のレートが平均値とどのくらい離れているのかです。

相場の勢いや変化、反転の目安・方向をみるための指標で、エントリーやエグジットなど売買のタイミングを決めるのに役立ちます。

ボリンジャーバンドの設定数値

設定すべき数値は、「偏差」と「期間」です。

偏差→設定は1・2・3のどれか(中心からの距離を変えられます)
期間→ローソク足のシンクロ率が変わります。

長い ← 期間 → 短い
低い ← シンクロ率 → 高い

トレードスタイルに合わせて期間を設定します。

ボリンジャーバンドの確率は?

標準偏差を統計学の正規分布に当てはめると

為替レートが

±1σにおさまる確率は、68.26%
±2σにおさまる確率は、95.44%
±3σにおさまる確率は、99.74%

と言われています。

この数値から考えると、ボリンジャーバンドの±2σのラインを超える確率はわずか4%ほどということになります。

為替レートが±2σのラインを超えたとしても、95.44%の平均値に戻る確率が高いので、ボリンジャーバンドを使った手法では、±2σのラインを売買の目安に取引します。

ボリンジャーバンドの見るべきポイント

1.バンド幅(大きさ)-大きいor小さい
2.形-縮小or拡大
3.位置-ローソク足とバンドの関係

ボリンジャーバンドの「大きさ・形・位置」を組み合わせて分析することで、相場環境の認識ができます。

最大の特徴はボラティリティの変化をひとめで理解できることです。
相場のトレンドが発生する瞬間を狙うこともできます。

ボリンジャーバンドの向きと形状

ボリンジャーバンドの使い方では、バンドの動きと形状に注意して見ていきます。

【ボリンジャーバンドの基本3パターン】

◆スクイーズ
スクイーズは、バンドの幅が狭いままで値動きに方向感がなく、上下どっちに動くのかわからずボリンジャーバンドの上限や下限ラインを行ったり来たりで相場が大きく上下しないレンジ相場の状態です。
ボラティリティが低いときに形づくられます。
ビックイベントが控えていたり、大きな変更があった直後に出やすい形状で、このスクイーズの期間が長ければ長いほど、その後のブレイクアウトは大きい傾向にあります。

レンジ相場では、バンドの上限・下限を目安にして逆張りでエントリーします。
バンドの幅が狭くなる「くびれ」がみられると、その後、相場が大きく転換する可能性があります。

◆エクスパンション
ボリンジャーバンドのバンドが上下に大きく広がりだしていく状態のことで、ブレイクアウトの直後で強い上昇や下降トレンドが発生していることを意味します。

ボラティリティが拡大しはじめています。
トレンドの予兆ではありますが、飛び乗りは危険です。
エクスパンションが起こってもトレンドが続かず、レンジ相場に戻ってしまうこともありますので継続するかどうかの見極めが大切です。
強い上昇トレンドのときには、ローソク足がバンドの上限にはりつきながら上昇を続けます。
下降トレンドのときには、ローソク足がバンドの下限にはりつきながら下降を続けます。
このようなバンドが見られるときには、順張りでエントリーします。

◆バンドウォーク
バンドウォークは、バンドの上限ラインや下限ラインを超えても、反発せずにそのままバンドのラインに沿って歩くように価格が移動していくのでバンドウォークと呼ばれています。
高いボラティリティを保っています。
すぐには戻らない強いトレンドが発生していることを表しています。

バンドウォークの時には順張りが有効な手法です。 中央への戻りに注意しながらエントリーします。
スクイーズ、エクスパンション、バンドウォークのパターンは順番で発生します。

ボリンジャーバンドのだまし

バンドの幅が狭くなった後にトレンドが発生しますが、だましの場合があるので注意が必要です。

ボリンジャーバンドでは、ローソク足が±2σのラインを超えたときが売買のシグナルになりますが、実体ではなく、ヒゲだけが超えた場合は、だましのことが多いので注意が必要です。

また、エクスパンションが起きたときに、価格が直前の高値・安値をブレイクしなかった場合
これは、トレンドは発生せずレンジ相場に戻るサインです。

トレンドの見極めでは、くびれのときの移動平均線の傾きもみます。
たいらではなく、傾いているかどうかを見ます。
たいらな場合は、だましになる可能性が高いです。
ボリンジャーバンドだけでエントリーポイントをみつけるのが難しい時は、RSIやMACDなどのオシレーター系の指標と合わせて使うと効果的で分析の精度が上がります。

ボリンジャーバンドの手法

【順張り】
ボリンジャーバンド本来の手法です。
レンジ相場からのブレイクアウトで大きな利益が出せます。
見逃さないようにエントリーします。

相場が動いてからでは遅いので、スクイーズの時に相場に注目します。

【逆張り】
スクイーズ状態で、高値と安値がはっきりしているレンジ相場では、±2σのラインを目安に逆張り手法で利益を出します。

有効な手法ですが、ひとつ問題があります。
それは、いつレンジブレイクするかわからないということです。

ボリンジャーバンドを使った手法でもっとも有名なのが、スクイーズからエクスパンションが発生するときのトレードです。

スクイーズでは、相場は次の大きな動きにむけてマグマをたえている状態です。
何らかの拍子でその力が崩れるとたまっていたマグマが一気にふきだすようにバンドが拡大し、レートが急激に動き出します。

ですので、ボリンジャーバンドでスクイーズを確認できたらエクスパンションが起こるのを狙います。
利益確定のタイミングは、反対側のバンドが反転したのを確認したときです。